私は、文章を書くのが昔から苦手です。こうしてブログを書くのも毎度ひと苦労しています(すらすら書ける人が本当に羨ましい!)。でも通信生として入学すれば、卒業するまで山ほど文章を書かなければなりません。だから苦手だなんて言ってられないです。

 レポートや論文の書き方については、以前の記事「『志望理由書』を書き始めるその前に、レポート・論文の書き方を学ぼう!」に軽くまとめさせてもらいました。ただ、そもそも文章がヘタクソでは、レポートどころの話ではないです。

「わかりやすい文章の書き方」について今回は書きます。
中学生からの作文技術/私の国語教室
 参考にさせてもらったのは、“左”のジャーナリスト・本多勝一(著)の『中学生からの作文技術』と、“右”の論客・福田恆存(著)の『私の国語教室』です。
 


 彼らの“右左”の思想はさておき、書籍の内容はどちらも素晴らしいです。すぐにでも役に立つのは本多勝一氏の書籍でしょう。文学部の方であれば、翻訳家・思想家としても名高い福田恆存(1912 - 1994)氏の書籍も読んでおいた方が良いと思います。

 今回は『中学生からの作文技術』からご紹介します。この書籍はロングセラー『日本語の作文技術』『実戦・日本語の作文技術』を中学生向けに再編したいいとこ取りの入門書です。中学生だけに読ませるなんて実にもったいない。文章を書くのが苦手な大人にこそタメになる本です。

中学生からの作文技術』は、読む側にとってわかりやすい文章を書くための技術を解説しています。各章の最後には文章技術を「おさらい」としてまとめてくれていますが、更にそこから5つの最重要事項を抜き出しました。


【わかりやすい文章のルール】
  1. 「かかる言葉」と「受ける言葉」は近いほどわかりやすい。
  2. 「節」を先にして、「句」をあとにする。※1
  3. 同じ「節」(または「句」)では、長い方を先にする。※2 ※3
  4. 長い「かかる言葉」が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ。
  5. 語順が逆順の場合にテンをうつ。
 ※1 節:1個以上の述語を含む複文。句:述語を含まない文節。
 ※2 長さが同じくらいのときは、大きな内容の方を先にする。
 ※3 「長さ」も「大きさ」も同じときは、前後の言葉のなじみ具合で配置を考える。


「かかる言葉」は長い順に並べよう!

「かかる言葉」「受ける言葉」について説明すると、
花が咲いた。
という単純な文章で見れば、「花が」は「咲いた」にかかる言葉で、「咲いた」は「花が」を受ける言葉になります。つまり「花が」が「かかる言葉」で、「咲いた」が「受ける言葉」ということです(一般的な用語で言えば、「主語→述語」や「修飾→被修飾」の関係に当たります)。

「花が(かかる言葉)」→「咲いた(受ける言葉)」

 それが分かれば、あとは簡単。「かかる言葉」と「受ける言葉」をできるだけ近づけ、「かかる言葉」が文の中に複数ある場合は長い方から順番に並べれば良いということです。それだけで文章が分かりやすくなります。

 例えば、次の言葉をどう並べれば読みやすいかを考えた場合、
【かかる言葉】
  • 私がふるえるほど大嫌いなBを
  • 私の親友のCに
  • Aが

【受ける言葉】
  • 紹介した
 下記の6パターンが考えられますが、
①Aが/私がふるえるほど大嫌いなBを/私の親友のCに/紹介した。
②Aが/私の親友のCに/私がふるえるほど大嫌いなBを/紹介した。
③私がふるえるほど大嫌いなBを/Aが/私の親友のCに/紹介した。
④私がふるえるほど大嫌いなBを/私の親友のCに/Aが/紹介した。
⑤私の親友のCに/Aが/私がふるえるほど大嫌いなBを/紹介した。
⑥私の親友のCに/私がふるえるほど大嫌いなBを/Aが/紹介した。
 上記のルールに当てはめて考えれば、「かかる言葉」を長い順に並べればいいので、④が一番分かりやすい文章ということになります。こんな単純なルールで文章が分かりやすくなるんですね。驚きです。

中学生からの作文技術』には、「かかる言葉の順序」や「テンやマルのうちかた」について以外にも、漢字の使いかた、助詞の使いかた、どこで改行するか、文章のリズムなどについて書いてあります。中学生向けということもあり、けっして難しくはないので、私のような文章を書くのが苦手な方にはおすすめです。

 今回の記事に関しては、『中学生からの作文技術』を参考に、できるだけ文章に気を配ったつもりですが、まだまだ至らないところもあるでしょう。徐々に上手くなれればと思います。

 長くなってしまったので今回はこの辺にして、福田恆存(著)『私の国語教室』については次回の記事「日本語の“ゆとり”改定」で書きたいと思います。


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